狭い空間で平和に生きるには

そう考えると、日本が出る杭を推奨しない社会であることも、この東の果ての島国という地理的条件を踏まえるだけで納得がいく。個人主義よりも全体調和が優先されるのは、長い時間をかけた試行錯誤の末の結果なのだ。

それゆえ、周りと足並みを揃えられない私は早くから海外に出されたが、逆に海外から日本へ来る人には、日本がそうした特異な地理条件の中で形成された国であることをもっと知ってもらうべきだと思う。

ということは、私が飼育しているカブトムシたちも、水槽の中で遺伝子の交配を何度も繰り返しながら、狭くても調和優先の社会を構築していくのかもしれない。

 

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パンデミック下、日本に長期滞在することになった「旅する漫画家」ヤマザキマリ。思いがけなく移動の自由を奪われた日々の中で思索を重ね、様々な気づきや発見があった。「日本らしさ」とは何か? 倫理の異なる集団同士の争いを回避するためには? そして私たちは、この先行き不透明な世界をどう生きていけば良いのか? 自分の頭で考えるための知恵とユーモアがつまった1冊。たちどまったままではいられない。新たな歩みを始めよう!