自分を頭が良いと思っている人は
特に注意すべきは、自分のことを「頭が良い」と自負している層、たとえばアカデミシャン(学者)たちかもしれません。研究によれば、米国のとある大学では、教授職にある者のうち94%が「自分は平均より優れている」と答えたそうです。面白い数字ではないでしょうか。
自分を頭が良いと思っている人は、自分がつくり上げた古い公式から逃れることが難しく、かえって知的に不自由であることも多いものです。
自らが依拠してきた旧式の価値観に足をとられ、身動きがとれなくなっていることに気づかないでいる。彼らに向かって「思考停止していますね」と指摘するのは、時間の無駄というものです。
そんなときは、心の中でこうつぶやいて、そっと微笑んでさしあげなさい。
「ああ、この方は『ご自身のプライド』という不要な負荷に耐えながら、不自由な頭のまま、毎日、脳トレをされているのだわ。なんと奇特な」
自分のかけている眼鏡の色を自覚する知性を持ちましょう。
「自分だけは大丈夫」と断言する人こそが、最も深く偏見の沼に沈んでいます。
大切なのは、色眼鏡を外すことではなく、「自分が何色の眼鏡をかけているか」を自覚すること。そして、相手が何色の眼鏡をかけているかを知り、自分を最も安全な場に置くにはどう見せるのがよいかを、冷徹に計算して行動することです。
こうして自他共に客観視できるメタ認知こそが、貴方を容赦ないマウント地獄から救い出し、どんな偏見ノルムの中でも自由に振る舞える、真の知性へと導いてくれるのです。
※本稿は、『ロンドン紳士と脳科学に学ぶ 品格のあるマウントのとり方』(日経BP)の一部を再編集したものです。
『ロンドン紳士と脳科学に学ぶ 品格のあるマウントのとり方』(著:中野信子/日経BP)
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