100%防ぐなんて無理
宮本:高齢者の認知症は老化ですから、100%防ぐなんて土台無理な話です。2024年のランセット委員会の報告では、「14の危険因子を取り除けば、認知症の最大45%は発症を防いだり、遅らせたりできる」と言っていますが……。「えっ、嘘でしょ!」って言いたくなるような数字ですよね。でも、たとえその14項目をパーフェクトにクリアしたとしても、残りの55%はやっぱり認知症になっちゃう。加齢や遺伝という、抗えない運命があるから。
14の危険因子を挙げます(かっこ内の数字は、それぞれの要因を取り除いた場合に、認知症の発症をどれだけ減らせるかを示す)。短い教育歴(5%)、難聴(7%)、悪玉コレステロール値が高い(7%)、うつ病(3%)、外傷性脳損傷(3%)、運動不足(2%)、糖尿病(2%)、喫煙(2%)、高血圧(2%)、肥満(1%)、酒の飲み過ぎ(1%)、社会的孤立(5%)、大気汚染(3%)、視力障害(2%)。
山口:「45%も減らせる!」と聞くとスゴそうだけど、裏を返せば「完璧に頑張っても、半分はなっちゃう」ってこと(笑)。しかも、「大気汚染」や「教育」なんて、今さら個人の努力でどうにかできる話じゃないものも含まれているしね。
宮本:私もそう思います。今のところ、私には14の因子に当てはまるものはありませんが、母の家系は認知症の人が多いので、年をとれば私も間違いなく認知症になると確信しています。
