今日からできる「先送り習慣」
長谷川佑子:スウェーデンには、認知機能低下を遅らせる方法として「FINGERモデル」があります。これは「1つのことだけに頼るのではなく、5つの生活習慣をまとめて見直す」という考え方です。具体的には、食事、運動、頭を使う活動、人との交流、血圧や血糖などの健康管理の5つです。大切なのは、「どれか一つ」ではなく、「少しずつ全部を続けること」です。
例えば、野菜を一品増やす、階段を使う、本を読む、誰かに連絡する、健診結果から生活を見直す、といった小さなことから始めます。こうした習慣を組み合わせることで、認知機能の低下をゆるやかにする効果が確認されています。ただし、認知症を防ぐものではなく、「進み方を遅らせる」取り組みです。
山口:では、現実的に今日からできる「先送り習慣」を4つ紹介しよう。詳しくは山口君が書いた『認知症予防―読めば納得! 脳を守るライフスタイルの秘訣(第3版)』を見てね。まずは「何よりも運動」。散歩だけじゃちょっと物足りない。筋肉量を増やすには、早歩きや坂道歩き、スロージョギングなど、週3日、少し汗をかく程度にね。運動すると、記憶担当の脳細胞が増えるんだよ。
次に「健康的な食生活」。食物繊維やポリフェノールを摂って、肉より魚。お酒は控えめ、タバコは止める。腸活で脳を元気に。3つ目は「くよくよせず前向きに」。ポジティブな感情を増やして、周りの人に「ありがとう」を伝える。何事もポジティブにとらえると、幸せ人生が待っているよ。
自分をほめる「ポジティブ日記」(その日にあった良いことを3つ挙げ、自分をほめる)を書くのもいいね。理学療法士・藤生大我研究室ウェブからダウンロードできるよ。最後に「頭を使う」。前向きに頭を使おう。心配事に使うのはバツ。楽しく頭と体を動かそう。人生は一度だけだから。