副作用の危険が大きい
山口:図で説明するね。薬を使わないと認知機能が低下し続けるけど、原因を取り除く薬だから進行が止まったり改善したりすることが期待されていたんだ。だけど、実際は薬を使っても進行し続けたんだ。ただそのスピードが3割弱遅くなったってこと。ドネペジルみたいに「一時的にシャキッとする」効果もないし、レカネマブの点滴を2週間に1回受けても症状は進む。それで「薬を使ってなきゃもっと進みが早かった」と言われて納得できるかどうかだな。
宮本:それに「副作用」のリスクがかなり高く、臨床試験では脳の浮腫(血管からの液漏れ)が約13%、小さな脳出血が約17%見られたと、2022年にvan Dyck, C. H. らが報告しています。まれですが死亡例もあり、2022年にPiller, C. が、2023年にReish N. J. らとSolopova, E.らが報告しています。このため「効果はごくわずかなのに、副作用の危険が大きい」という批判もあります。
山口:脳の血管の壁にもアミロイドがたまっているから、それを薬で取る時に、血管がもろくなって、液漏れや小出血が起きちゃうんだね。日本で実際に使った結果では、浮腫や出血の副作用が臨床試験よりは少なくて、脳の浮腫が3.0%、小さな脳出血が5.2%と2026年に報告されました。
長谷川:副作用の危険が大きいことを、しっかり説明しなくてはいけませんね。