「今はとにかく、飲むぞ!」

「えーっ、二日酔いにならないッスか?」

「そんなに弱くねーよ」

 青峰はふと思いついて言った。

「なあ俺、実は今日、大学時代の友人の結婚式を蹴って来ちゃったんだよ」

 ソニックは一拍置いてから、プッと吹き出した。

「それ、社会人としてまずくないッスか?」

「やっぱそうかなあ」

「そうッスよ。しかも、ゲームやってないのにオフ会来て」

「それ突かれるとマジで痛い」

 青峰は顔をしかめつつも、もう一つ心のつかえが取れた気がした。

「行っときゃ良かったかなあ。行っておけば、同窓会マジックで彼女が出来たかも」

「はいはい、そうだといいッスね」

 ソニックがケラケラ笑った。

 結婚式のハガキを見た時から、心が腐っていた。同級生が次々結婚していくことに。幸せになっていくことに。

 だけど、今なら心の底から思える気がする。

 この横浜の地の、どこかにいるはずの大村茜へ。

 ――幸せになってくれ。

 三杯目のアルコールが届き、青峰とソニックのグラスが快音を奏でた。

(了)