「だけど、窮屈だったよ」

 ソニックが顔を上げる。

 青峰の体は椅子に深く沈み込んだ。

「ウソをついてまで、輪に加わろうとするのは、俺には窮屈すぎた」

「アオさん……」

「はーあ、やめだやめ」

 青峰はぐいとビールを飲み干す。ぷはっと息を吐いた。

「明日は休みだから、ゲーム進めるよ。お前と同じオオタカから攻略する。詰まったらLINEしていいか?」

 ソニックの顔がほころんだ。

「いいッスよ。なんでも聞いてください」

 ――そうだ。これでいい。

 ようやく、胸を重く塞いでいたものが消える。

 青峰は金曜日の夜に家に帰った後、真っ暗な部屋で、大村茜のFacebookを開き、初めて結婚相手の写真を見た。大学は同じではなかった。

 ――こんな男と結婚するのか。

 この男と何があったのだろう。何が決め手だったのだろう。自分にはない何かをその男の中に探そうとしているうちに、眠りに落ちていた。

 あの夜の自分は、そして目覚めてからの自分は、醜かった。みっともなかった。だが。

ソニックはこんなみっともない自分を受け容れてくれる。だって、青峰もソニックも、形は違えど、ゲームが好きなのだから。