「そこから先は、もう話した通りだよ。情報だけを頭に詰め込んで、当座の間だけしのげるようにしたんだ」

 青峰の脳裏に、脱出を目的とした推理ゲームのイメージがよぎる。制限時間以内に与えられた条件を整理して、推理を進め、密閉空間から脱出する。

 ある意味、青峰がやっていたのは同じことだったのかもしれない。ただし、青峰の勝利条件は一つだけ。「制限時間の超過」だ。与えられた手札を器用に切って逃げ切ることが出来れば、勝利となる。

「欠席連絡を入れようとしたんだけどね……あそこのコース、四人からだろ。一人抜けたら会が成立しない。音頭を取ってくれた幹事のモリシーさんにも悪いしな」

 はあ、とソニックはため息をついた。

「アオさん、お人よし過ぎッスよ。辛いなら、寝てりゃ良かったのに」

「冷たいなあ」

「やっぱり、ミクニさん狙いだったんスね」

「……ハハ、バレた?」

 モリシーとの関係は、正直かなりショックだ。だが一方で、それだけじゃない、と青峰の心は否定する。

 青峰は、あの四人でだらだら話す時間が、たまらなく好きだったのだ。

 大学が同じだったわけでもない。職場が同じわけでもない。そうしたコミュニティーの話はしなくていい。ただ、同じゲームが好きだというだけで集まった四人と、だらだら過ごすのが。

 だから、ウソをついてでも行きたいと思った。