消費者はなぜ回すのか
消費者がガチャガチャを回す理由は、確率を考えると回したほうが自分にとって得になることが多いからだ。例えば、300円のガチャガチャで、転売による儲けではなく自分にとって平均400円相当の価値があるフィギュアが手に入るなら、購入は合理的だ。ただし、平均的には得でも、分散が大きいと「損の痛み」が勝って回避する人もいる。
もちろん、ガチャガチャには「ハズレ」もある。全部で5種類のカプセルトイに対し、本当に欲しいのは2種類だけということもあるだろう。
しかし、消費者が自分にとって価値のあるアイテムを十分に集めるまで購入を続け、「もう1回回すと、平均すれば損だな」と思った時点で止めたならば、平均的には損をしにくい。
チェン氏らの研究では、このような次の1回が得かどうかだけを見て判断する「近視眼的」な購入行動が、商品数が多いなどの一定の条件のもとで合理的な戦略に近いことが示されている。
ここで重要なのは、「次の1回の期待価値が価格を下回ったら止める」という停止ルールだ。目的はコンプリートすることではなく、自分にとって価値のあるものが集まるまで回すことである。「もう1回だけ」と思って回し続け、「もういいや」と思ったら止める。この素朴な行動が、実は理にかなっているのだ。
