バンドリング販売としてのガチャガチャ
素朴な行動が、実は合理的だというのはどういうことだろうか。詳しく説明していこう。
ガチャガチャをする人は、1回限りではなく数回は回すのが一般的で、結果的に一度に複数のタイプのおもちゃを購入しているとも解釈できる。それは、ちょうど雑誌を購入するのと似ている。雑誌の中には読みたい記事だけでなく、それほど関心のないものも含まれている。ガチャガチャもそのようなセット販売だと考えられるわけだ。
具体例で考えてみよう。「ポケットモンスター」ファンのAさんとBさんがいるとする。Aさんはピカチュウが大好きで、イーブイはあまり好きではない。Bさんは、イーブイは大好きだがピカチュウはそれほど好きではないとする。
ガチャガチャ1回300円に対して、Aさんはピカチュウのフィギュアなら最大500円出してもいいと思っていて、イーブイなら100円しか出したくないと思っているとする。Bさんはピカチュウなら200円で、イーブイなら400円出してもいいとする。それぞれが出してもいいと思う最大の金額を表にまとめると下のようになる。
ガチャガチャではなく、バラ売りにしたとしてみよう。ピカチュウの値段を500円にすると、Aさんだけが買ってくれる。200円にすると2人が買ってくれるが、売り上げは200円×2人=400円にしかならない。500円でAさんだけに売ったほうが売り上げは大きい。
イーブイではどうなるだろうか。400円にするとBさんだけが買ってくれる。100円にすると2人が買ってくれるが、この場合も、100円×2人=200円より、400円でBさんだけに売ったほうが売り上げは大きい。
そうなると、バラ売りでの売り上げは、最大で500円+400円=900円だ。
これに対し、ガチャガチャにして、ピカチュウとイーブイのセット売りを600円(ガチャガチャ2回)で売り出すとどうなるだろうか。
Aさんの合計支払意思額は600円、Bさんも600円だから、2人とも買ってくれる。売り上げは600円+600円=1200円になる。バラ売りの900円より300円も多い。