漫画好きで怒るとすごく怖い
僕の「夏井(なつい)」という名前は、6月生まれで暦の上では夏だからつけたんだそう。なんでも昔、夏になると井戸には人が集まってきたとか。人から慕われるように、という思いを込めたのでしょうか。
真偽のほどはわかりませんが、折口信夫氏が一時ペンネームに「夏井」を使っていたと聞いたこともあります。
兄の名は安都佐(あずさ)。父は、和歌の枕詞の「梓弓」からとって「梓」にしたかったけれど、役所に出生届を出しに行ったら当時その漢字は使えなかったそうです。
物心ついた頃は神奈川県の団地に暮らしていました。狭い家にしょっちゅうお客さんが来ていたのを覚えています。母もお客さんを招くのが大好きだったみたいで、あまり上手ではない料理を振る舞っていた(笑)。
母は慶應義塾大学文学部出身で、折口信夫門下でしたので、そもそもの出発点からして二人には共通点がある。確か折口氏の弟子だった池田弥三郎さんらが、折口氏の死後、落ち込んでいる父を心配して、母を引き合わせたらしいです。
親父はけっこうわがままなところもありましたが、勝気な母は父から何を言われても気にしない。二人に共通していたのが、あまり経済観念がないところ(笑)。
親父は薄給なのに、地方の講演会に呼ばれたりすると、自分のぶんと同行する母のぶんの着物を新調したりして。家に借金取りが来ると、追い払うのは僕の役目。「父も母も、今いません」なんて言ってね。(笑)