(撮影:清水朝子)
映画やドラマで多彩な役柄を演じている二階堂ふみさんが、このたび、戦後の日本に実在した12万人もの戦争孤児たちに光を当てた映画『わたしの知らない子どもたち』に出演。オリジナル脚本を書き上げた西川美和監督や子役たちと作品を作り上げる過程で、「多くの人に届けなくては」と感じた理由を語りました。(構成:篠藤ゆり 撮影:清水朝子)

自分を俯瞰するために欠かせないことは

日頃から大事にしているのは、意識して感情から距離を取ること。感情に突き動かされて、思わず出てくる言葉や考え方は、ときとして危険だと思うからです。

感情に振り回されず、自分を保つための方法のひとつが、私にとっては読書。好きな作家の本を読むと、脳が動く感じで心が整理されて、自分の感情に対して俯瞰的でいられる気がします。

好きな本はたくさんありますが、影響を受けているのは、養老孟司さんの著書です。何度も読み返していますが、『死の壁』は大きく影響を受けた本のひとつです。この世界はどうなるのかと不安なとき、先生の言葉が助けになります。

戦争を経験し、戦後の混乱や食料難も当事者としてくぐり抜けてこられた方だからこそ、言葉に説得力があるというか――。私自身が体験した大事な人の喪失を、養老先生の本のおかげで乗り越えることができました。