大事な人のひとりが、2022年に亡くなった祖母です。私の故郷は沖縄ですが、祖母は沖縄の地上戦の激戦地にいて、まわりで次々に人が亡くなっていくなかなんとか生き延びました。

戦後は、性を売る女性たちが使うスカーフを扱う商売をしていた時期もあったそうです。また、山へ行った際、女性が強姦されている現場を目の当たりにした、と――。そうした経験は、祖母の人生にもすごく大きな影響とトラウマを与えたと思います。

祖母は、孫である私たちには、自分の見たことや経験したことを絶対に語ろうとはしませんでしたが、叔母や母の話を通して、祖母の経験を知りました。

小学生の頃、祖母に「なぜ軍国主義教育に疑問を持たなかったの?」と聞いたところ、「だって、そういう時代だったから」。それ以上は語ってくれませんでした。

私たちは、戦争を年号や戦死者の数など数字で教わることが多いと思います。自分と同じ人間がそこに存在し、戦争に巻き込まれていくんだということを、身近な人の話から思い知らされます。私にとっても、自分のものの考え方に大きな影響を与えていると思います。

そういうこともあり、今回、西川美和監督からオファーをいただいたとき、迷わず出演しようと思いました。