知られざる、12万人を超える子どもたち

初めて監督とお会いしたとき、監督は『わたしの知らない子どもたち』の脚本の執筆中で、戦争孤児について書いている、とうかがいました。

日本の歴史を振り返るとき、敗戦の次には、もう高度経済成長、というイメージがありますが、そのはざまにあった戦後の混乱期のごく普通の人たちについてはあまり語られてきていません。

実際に81年前、天涯孤独になった子どもたちが過酷な目に遭って心と体を傷つけられ、大人や社会からの救いの手が届かないまま大人になっていった。そう考えると、戦争は終わったのに、今もなお、見えないところで戦争は続いている、と感じました。

私自身、故郷で戦争体験者の方のお話をうかがう機会が何度かありました。沖縄戦では県民の4人に1人が亡くなり、孤児として生きてきた人が私の身近にもかなりいらっしゃいました。

もともと西川監督のファンでしたので、どういう形であれ西川組に参加したかったし、シナリオを読んだとき、子どもの視点で描かれた世界に心を揺さぶられました。これは絶対に多くの人に届けなくてはいけない作品だと思っています。

<後編につづく>

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