思春期女子のほしいもの
「それでは第一回、PPPを開催いたします」
「よろしくお願いいたします」
中年の伯母と思春期の姪、真剣勝負である。このとき姪はミルボンのヘアミルクと、シートマスクがほしいとプレゼンとしてきた。
「髪の毛が朝起きると爆発しているんですよ〜。これをつけたらきっと治るんですよ〜」
「この商品はひいちゃんたちみたいなおばさんがつけるんだけど」
「でも欲しいの。あと肌もゴワゴワでさ〜」
「10代の肌がゴワゴワなら、ひいちゃんの肌はサハラ砂漠だぞ……」
「きれいな肌になったらしたいこと、たくさんあるの」
「恋とか」
「そういう聞くのは野暮じゃない?」
「ごめん……」
こんな会話を一頻り。動画の姪がかわいいなあと思いながら、1時間ほど話していた。私はこの時間のために、PPPを立ち上げたようなものである。この後「プレゼンに関するご報告書」を作成して、姪に送付。到着後、プレゼントと一緒に撮影した写真を送る条件つきで、シートマスクが採択された。
毎年、こんな調子で連絡が取れると思っていたけれど、ふたりとも部活動に奔走する日々で、誕生日プレゼントはどうでも良くなってきたらしい。おそらく、伯母と話すくらいなら寝ていたいのである。これも彼らの成長だと思いつつ【もうじき誕生日だね〜、プレゼンしないの〜?】と、しつこくLINEを送る伯母。返信はない。
きっと彼らとの関係性は、貴族と平民から進歩することは未来永劫ありえない。ひょっとしたら伯母として威厳あるべきなのかもしれないが、いいのだ、可愛いから。プロの伯母業とは自己欺瞞の典型だ。
と、彼らへの愛を綴っていたら、姪からLINEがきた。傭兵は原稿の手を止めて即返信です。

