2026年10月より、パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関するルールが改正されました。多様な働き方が選択できる現代ですが、それに伴い複雑化しているのが職場のトラブルです。数多くの労働事件を担当してきた弁護士・佐々木亮さんは「働く側にトラブル解決に対する知識がとぼしく『泣き寝入り』をするケースが実に多い」と指摘します。そこで今回は、佐々木さんの著書『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』より一部を抜粋し、自分を守るために知っておきたい労働法の知識をわかりやすく解説します。
あらかじめ労働時間を決定する「裁量労働時間制(みなし労働時間制)」は問題が多い
「みなし労働時間制」と呼ばれる働き方があります。この働き方は実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ労働時間を決めてしまう制度です。
始業時間、終業時間など細かく就業時間を決めるより、仕事の進め方に裁量がある労働者に適しているとされています。
裁量労働時間制では、たとえば1日8時間とみなす場合、実働が4時間でも、5時間でも、8時間働いたと計算され、原則としてその分の給与が支払われます。しかし、10時間働いても、12時間働いても8時間労働としかみなされません。
裁量労働時間制では労働時間を定めてしまえば、それ以上でも以下でもその時間の労働とみなされてしまいます。ですから、残業代の請求は基本的にはできないことになります。
この働き方は長時間労働となりやすく、過労となりがちな働き方ともいわれています。そのため、長時間労働の温床になっているという批判もあります。