トラブルケース2
みなし労働時間制が撤廃され、実労働での残業代支給になったが、給料が減少した
みなし労働時間制が廃止になり、実労働での残業代支給になりました。今まで、みなし残業手当が10万円だったのが、ゼロになってしまい、給与が大幅に減少しました。いきなり、ゼロは違法ではありませんか?
解決策 労働契約上の不利益変更に該当し、違法の可能性がある
会社がみなし労働時間制を撤廃して、実労働での残業代の支払いにする場合、労働者に支払われる給与の総支給額が減ることがあります。
こうした給与の減額を伴う変更は「労働条件の不利益変更」にあたり、変更には労働者の同意が必要です。同意なく変更する場合には、就業規則の変更によることが必要であり、その場合は変更そのものに合理性があることが必要になります。
どういう場合に合理性があるといえるかについては、そのような変更をしなければいけない必要性があるか、変更後の内容に相当性があるか、労働者や労働組合と協議をしっかりしたかなどのさまざまな事情が考慮されて判断されます。
たとえば、会社の経営が悪化し給与総額を減らさないと倒産してしまうとか、いきなりゼロ円にするのではなく段階的に減額するとか、労働者と何度も協議したなどの事情があると合理性があるとされる可能性が高まります。逆に、会社の経営は全く苦しくない場合は合理性がないとされる可能性が高まります。
なお、変更した就業規則を周知していない場合はそもそも有効になりません。いつのまにか変更されており、変わったことを知らなかったというのは無効です。
※本稿は、『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
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