痛みや腫れを引き起こす変化には、主に2種類あります。ひとつは、膝のクッション性の低下によって、半月や骨に細かな傷やヒビが入ること(図のA)。急に膝が痛くなって腫れた場合は、このタイプが少なくありません。
もうひとつは、関節を覆う滑膜(かつまく)という組織に起きる炎症です(図のB)。年齢のせいで脆くなった軟骨は少しずつ削れ、細かな軟骨の破片が関節内に散らばります。この破片が滑膜に炎症を引き起こすのです。
OAの初期は自然に痛みが治まることが多いのが特徴。レントゲンでも異常が見られないことも多く、一見治ったような状態になります。
しかし、症状が消えても、完全に組織が元に戻るわけではありません。傷も炎症も何度か繰り返すことで、その変化が関節の各組織に蓄積していきます。
その結果、何年かして軟骨が減って関節の隙間が狭くなったり、「骨棘(こつきょく)」と呼ばれるトゲが骨のへりに現れたりして重症化。歩いたり階段を下りたりするだけで膝が痛む、という状態が続くようになるのです。
関節軟骨は骨や筋肉と違い、一度すり減ったり傷ついたりすると、自然に元の状態には戻りません。ですから大事なのは、これ以上悪くしない、あるいは悪化するスピードをなるべく最小限にとどめることです。