覚悟していた「終わりの予感」

シーズン中盤に復帰してからも、なかなか思うような結果はついてこなかった。

夏場を過ぎた頃には、心のどこかで「スワローズでのキャリアは、もう怪しいかもしれない」と感じ始めていた。

『愛と哀しみのスワローズ』(著:高津臣吾/KADOKAWA)

それは成績だけでなく、当時の自分自身の振る舞いにも理由があった。

選手会長時代から、施設面、選手待遇の改善について、球団に対してかなり率直に、ときに激しい口調で意見をぶつけていた。僕のそんな態度を快く思っていなかった球団関係者はきっと多かったはずだ。

年齢からくる衰えゆえの実力不足。そして、こうした「物言うベテラン」という立場。チームからすれば厄介者だったのかもしれない。過去の実績で飯が食えるほど甘い世界ではないことは、僕自身がよく理解していたし、組織から弾き出される対象になるのは、ある意味で仕方のないことだと自分でも覚悟していた。

そして、「その日」は突然やってきた――。

07年シーズン終盤、神宮球場は引退ムードに包まれていた。

10月7日には、超満員の観客を集めた古田さんの引退試合があり、その3日前には、西武ライオンズからスワローズに移籍して活躍した鈴木健の引退試合もあった。――時代を築いた選手たちがグラウンドを去っていく。寂しいことではあるけれど、それはシーズン終盤の「恒例行事」でもあった。