「明日、球団に来てくれ」

しかし、華やかなセレモニーが続く中で、僕の元には何の連絡もなかった。

シーズン中盤には、「今年で最後かもしれない」という予感めいた思いはあったけれど、終盤になっても何も連絡がないということで、「ひょっとしたら、来季も契約があるのかな?」と思う反面、「もしかしたら、僕には引退試合という場は用意されていないのかもしれない」と、どこか冷めた気持ちも持ちつつ、事態の行方を見守っていた。

写真/水上俊介

そして、球団からは何の連絡も、相談もないままシーズン最終戦を迎えた。

07年10月9日――。

横浜スタジアムでのシーズン最終戦で僕はセーブを挙げ、07年シーズンを締めくくった。0勝5敗13セーブ、防御率6.17。まったく不本意な成績だった。

やはり、この日の試合前はもちろん、試合後も球団からは何の連絡もない。

(やっぱり、来季も契約は続くのかな……)

そんなことを考えていたところ、事態は一変する。その試合の帰り道、自らハンドルを握って都内の自宅へ向かっている車中に、1本の電話が入った。

「明日、球団に来てくれ」――。

そのひと言で、すべてを察した。