「脳の貯金」は30代から
森下 脳の機能は、想像以上に早い年齢から変化が始まります。2025年大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」で50万人弱の方を解析したデータでは、実は脳年齢のピークは20代で、30代から脳の機能は落ちていき、50代では急速に衰えていくことがわかりました。
ですから、逆に言うと30代から「脳資産」を増やすような取り組みをしなければなりません。「脳の貯金」が少なくなると、早く認知症になります。
南 脳の老化は思っていたより早いですね。「脳の貯金」を増やすために、具体的には何をすればいいんでしょう?
森下 まず、自分の脳年齢や脳のどの機能が落ちてきているかを知ることです。認知機能は「記憶力」だけではありません。注意力や判断力、視覚的な認識など、6つの機能があります。その中で、どの機能が弱くなっているかは、人によって異なるのです。
南 脳の働きをよくするために、既にクイズや計算問題といった脳トレに取り組んでいる人は多いですよね。
森下 そうですね。ただ、そういった従来の脳トレには課題があります。人間はどうしても、自分が得意なことや好きなことをやりたがりますが、それでは弱い部分を改善できないからです。人によって弱くなる部分が違うので、そこを把握して、その人に合った脳トレーニングをすることが重要なのです。
実は「ミルダケ」を家庭向けに使いたいという要望を受けて開発されたスマートフォン向けアプリ「ミルダケケア」も、今年9月からサブスクリプションで販売されています。アプリの画面に表示された問題に対し、スマホで回答することで、脳の健康度を手軽にはかることができるものです。
アプリでは「脳のどの機能が落ちているか」をはかることができる上、その人の弱点を鍛えるような問題をAIが出してくれる脳年齢向上アプリもセットになっています。例えば、認知機能の中で注意力が弱いなら、注意力に働きかける問題を出す。正解すれば少し難しくして、間違えれば少し易しくする、といったものです。
AIを使えば、その人の状態に合わせて出題する問題を変えていくことができます。アプリで毎日5分問題を解いてもらうだけでも、日常生活の中で「脳資産」を増やしてくれるのです。
