ひとりで何とかしなければ

その時の私ができるのは母の病院へ付き添うことだけ、と考えました。

待合室に置いてある雑誌を開けば、有名人の死を報じる記事が載っていて、「壮絶な介護の末に」なんて見出しが目に飛び込んできます。

(写真提供:Photo AC)

今なら、そんなに脅かさなくてもいいじゃない、と見過ごせますが、当時の私は「介護=壮絶」と真に受けていたのです。

その時点で、母の介護認定を受けて、地域の包括支援センターとつながり、ケアマネージャーに相談すればよかったのですが、介護に対する知識がなかったために、ひとりで何とかしなければいけないと抱え込んでいました。

今にして思えば、母を施設に預けてみてもらうという策もあったかもしれません。ただ、仮に介護認定を受けていたとしても軽度だと施設の入所費用も高額で無理……。そんな知識もないままに、ひたすら悶々としていたのです。