お風呂で脳内反省会

翌日の日曜。時計も気にせずかなりゆっくり起きたのに、スマホにはなんの通知もない。

平日は、家事や子どもたちの世話、家業の手伝いに追われながら、その合間を縫ってエッセイの原稿を書いている。打ち合わせや仕事のメールやLINEも鳴るし、慌ただしく立ち回っているうちは「誰かに必要とされている」と安心できるのだ。

会社員の頃は土日が待ち遠しかった。今日頑張れば休みだと思うと金曜の朝から上機嫌でいられた。毎週末、一瞬で時間が過ぎてしまい『サザエさん』まで体感3秒だった。

今は全然好きじゃない。土日はスマホがまったく鳴らず、「私は必要とされてない」とまざまざと感じてしまう。

ようやくLINEが鳴って「誰から!?」と期待して画面を見ると、スギ薬局からの「本日はポイント5倍!」という通知で、ムカついてスマホをぶん投げそうになる。

ほらね。私は田舎のただの主婦。やっぱり、誰も私を必要としていない。

その日は一日、昨夜の疲れと寂しさと虚しさが募って何もできなかった。ああ、無駄な1日を過ごしてしまった。

お風呂で脳内反省会が始まる。

今日は何をした? 何文字書いた? 何か面白いことを言って誰かを笑わせた? 誰かに褒められた? まだ誰かに必要とされてる?

今日、私は何も生産していない。それなのに、食べ物を消費して、排泄をして、二酸化炭素を排出してしまった。一体なんのために生きているんだろう。

「こんな私には、なんの価値もないんじゃないか」

極端でバカバカしい思考だと自分でもわかっているのに、呪いのような言葉が頭を支配する。頑張っていない私、何もしていない私は、存在している価値がない。どうしてもそう思い込んでしまうのには、理由がある。

 

(写真:AdobePhotoStock)