苦手であっても嫌ではない
――山中は珠にどんな気持ちで接していると思われますか?
(第5週のシーンの)たまたま悠樂軒に来た黒崎編集長に原稿を手渡すという、ある種“飛び級”のような珠のやり方は山中好みではなかったと思います。文壇の世界は誰にでもチャンスが開かれているわけではありません。そこに“飛び級”のようなやり方で入ってくる珠のことが、山中は苦手だったのではないでしょうか。でも「苦手」ではあっても、「嫌い」ではないと思うんですよね。
というのも、僕の中で「山中は面倒くさい人間が大好き」という設定があって、面倒な100のことはできないけれど1のことが飛び抜けてできる人や、山中自身が持っていない能力を持っている人への敬意が深いはずです。その最たる人が黒崎さんですが、きっと敵も多くてつきあうのも大変な黒崎のことを山中は大変だと思っていません。同じように、珠のことも実は大好物だろうなと解釈して演じています。山中は自分も変なことには気づけていないタイプ。
周りから見れば山中も変なのに、黒崎や珠を「変な人ってやっぱりおもしろいな」と見ているんです。このわかりやすくはない変さや自覚のないオリジナリティが実は出ている、人としての豊かさも山中の魅力です。
――視聴者の方への見どころ・メッセージをお願いします。
すごく挑戦的な朝ドラだなと思っています。人を愛することや恋をたくさんすることは、決して悪いことではないはず。でも、いまは「常識がない」「節操がない」という言葉で簡単に片づけられてしまう、そういう流れが色濃い時代になっているからこそ、刺激を与えられるのではないでしょうか。
これまでの朝ドラのヒロイン像とは少し違うかもしれませんが、情熱的に人を好きになることや愛すること、人と人とが関わり合うことの尊さを謳う(うたう)作品にきっとなると思います。
珠の素直に人を愛して、恋をして、それを仕事にも生かして…という生き方が朝ドラというフィルターを通してどう表現されるのか僕も楽しみにしています。
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
【放送予定】9月28日スタート
●毎週月曜~土曜
●総合 午前8時~8時15分
●総合 午後0時45分~1時00分(再)
※土曜は一週間を振り返ります
<毎週月曜~金曜>
●BS・BSプレミアム4K 午前7時30分~7時45分 ほか
【 作 】 櫻井 剛、小松與志子
【 音楽 】 fox capture plan
【 主題歌 】 「咲き誇れ」YOASOBI
【語り】三條雅幸アナウンサー(NHK大阪放送局)
【制作統括】村山峻平、櫻井壮一
【プロデューサー】大野陽平
【演出】盆子原 誠、中泉 慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
【出演】石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎/染谷将太/井浦新、遠藤憲一/尾野真千子 ほか