「これからはもっと自分を楽にするために、何もかもひとりで抱え込まず、《こうでなくてはいけない》というこだわりを手放そう。徐々にそんな気持ちになりました」
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つつがなく過ごせているだけで

ある日たまたま、雑誌の星占いを読んでいたら、「細かいことを気にせず上機嫌でいましょう」と書いてありました。「そうだよね。でもどうしたら上機嫌でいられるのかな」と考えているうちに、本で読んだ一節をふっと思い出しました。小さなことでいいから、その日いいなと思ったこと、幸せだと感じたことを10個思い出すといい。そんな内容でした。

仕事も何もない毎日。ちょっとしたことで幸せを感じるのはなかなか難しいけれど、夜お風呂に入っている間に考えることにしました。たとえば「息子が今日、ごはんがおいしいねと言ってくれた」とか、「夕焼けがきれいだった」「散歩したらキンモクセイのいい香りがした」とか……。なんとか10個見つかると、ほっとした気分になります。それを続けているうちにやっと最近、「つつがなく過ごせているだけで幸せなのかも」と思えるようになってきました。

考え方も、意識して変えるよう努力しています。私は白黒ハッキリさせないとイヤな性分。でもこれからはグレーをよしとし、中庸を大事にしよう、と。

コロナ禍では、多少のことには目をつぶり、融通を利かせて折り合いをつけることが必要な場面もあります。「白か黒か」みたいな生き方をしていると、自分自身を苦しめ、結果的に心を疲弊させてしまうから。グレーを受け入れることは、まだまだうまくいかないのですが、試みている最中です。

従姉にアドバイスされたように、今がまさに変化していくチャンスなのでしょう。《ピンチはチャンス！》、白か黒かの両極だけでなくグレーの部分が生まれたら、そのぶん振り幅が広くなるわけですから。女優をやっていくうえでも役立つと信じたいですね。