3年で10㎏減! なりきり効果で別人のように

「なりきりタカラジェンヌ」のクラスでは、生徒に“芸名〟をつけることを勧めている。やはり宝塚的な名前をつける人が多いなか、異色なのが黒ご麿きなこさん(51歳)だ。

きなこさんは宝塚好きの姉の影響で、小学5年生の頃から宝塚の舞台を見ていた。とはいえ、誰かのファンクラブに入るほど熱心だったわけではない。ある時、たまたま見た舞台で初嶺麿代さんのファンになったきなこさん。初嶺さんが退団後にスタジオを開くと、さっそく習いに行くことに。3年前のことだ。

「若い頃、ジャズダンスをしばらくやっていましたが、ブランクがあるし、ついていけるか不安がありました。でも、大好きな初嶺先生に教えてもらえるならばと、思いきって通い始めたのです。最初は照れがあったけれど、まわりの人たちが『なりきって』いるのを見て、ここで恥ずかしがっていたらなんだかもったいないという気持ちに。すると、どんどん楽しくなっていきました」

初嶺さんは、「なりきり効果」について、こう語る。

「なりきるというのは、イメージすることです。なりたい自分をイメージするのは、すごく大事。普通のオバサマだった方が、半年くらいで別人のようになりますよ。男役に憧れている方は、襟を立ててシュッとしてきますし、可憐な娘役を思い描いていると本当にそうなってくる。皆さん、教室にいる時だけではなく、日常生活でもだらしないかっこうはできなくなると。たとえば、駅のホームで電車を待つ時も肩甲骨を寄せてお腹を引き締める『ジェンヌ立ち』をするようになるし、座っていても背中を丸めずピシッとしていようと心がけるようになるようです。姿勢を正すと、それだけで腹筋や背筋に意識が向くから、自然とスタイルアップされます」

きなこさんも、この3年間で体重が10キロ近く減ったそうだ。おかげで動きやすくなり、サイズが合わず諦めていた服も着られるようになった。しかも副産物として、風邪を引きにくくなったという。

「自己管理ができるようになったのでしょうね。食生活や体調管理に気を配るようになったり、普段から姿勢に気をつけるようになりました。好きな宝塚の曲で踊れるのでテンションもあがるし、体も心も若返った気がします。おかげで更年期に負けない気持ちも生まれました。スタジオで汗をかくのに慣れているせいか、ホットフラッシュがきても気になりません」

「趣味に使うお金は自分で稼ぐ」がモットーのきなこさん。週4日、朝の8時半からフルタイムで働いているが、「これもスタジオに通うため」と思うと、仕事のストレスも感じなくなったそうだ。

「夫は、楽しければいいんじゃない、というスタンスです。自由にさせてもらっている分『やさしくしなきゃ』と思うからか、関係が前よりもよくなり夫婦の会話も増えました」

この日、お手本として初嶺麿代さんと組んだ黒ご麿きなこさん(中央)。憧れのタカラジェンヌに見つめられると「内心、ときめいています!」