イラスト:おおの麻里
新型コロナウィルスの感染拡大も気にかかりますが、そもそも、風邪やインフルエンザなどの感染症は寒い時期が流行のシーズン。手洗いやマスク着用などの基本的な予防策を、正しく行えていない人が意外に多いようです。感染症にかからない、うつさないためのポイントを、専門医に聞きました(イラスト=おおの麻里 取材・文=佐藤ゆかり 構成=渡部真里代)

インフルエンザは飛沫感染、ノロウイルスは接触感染

そもそも感染症とは何でしょうか? 感染症専門医の田中雅之先生は、こう説明します。

「感染症とは、微生物が体内に侵入して増殖し、発熱などの症状を引き起こす病。その最大の特徴は、人から人へうつることです」

人から人への主な感染経路としては、飛沫、接触、空気感染の3つがあります。

「飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによって飛び散った病原体が目や鼻、口などの粘膜から体内に侵入して感染すること。インフルエンザウイルス、肺炎球菌、風邪の原因となるウイルスなどは飛沫による感染が多く見られます」(田中先生。以下同)

接触感染は、感染者から排出されたウイルスや細菌に触れた手を経由して、目や鼻、口などから感染すること。

「感染力が強く、腹痛、下痢、嘔吐を引き起こすノロウイルスは、感染者の糞便や吐と 瀉しゃ物への接触で感染しがち。また新型コロナウイルスは、未解明の点もありますが、現段階では飛沫と接触が主な感染経路と考えられています」

空気感染は、空気中に放出された微生物が1メートル以上を越えて人にうつることで、代表的なものに麻疹(はしか)や結核があります。