Q ドラマでは主人公が曲を作るときに苦悩する様子が描かれていました。皆さんが曲を作るときはどうなのでしょうか?

シノブ ドラマのように、部屋が譜面で溢れかえるところはカッコよくて憧れますね(笑)。最近、曲作りはパソコンを使っていたのですが、ドラマの中で「写譜ペン」という万年筆を使って曲を書いているのを見て、久しぶりに手書きで譜面を書くようになりました。パソコンの画面の中で曲を作るよりも、アナログで書くほうが世界が広がった気がして、紙の譜面もいいなあと感じています。

 

Q 皆さんが印象に残ったシーンはありますか?

ユースケ 佐藤久志役を演じられた山崎育三郎さんが歌った「栄冠は君に輝く」ですね。音楽を諦めたかのように見えていたのに、曲を聞いて燻(くすぶ)っていた音楽への想いに火が灯(とも)り、マウンドで一人アカペラで歌った姿に自然と涙が出てきて。また、音の亡くなったお父さんが白い三角巾を着けて現世に帰ってきて、家族と会話するシーンや、喫茶店バンブーの2人が出会うまでの話といったスピンオフ回も面白かったです。

ユウ 主人公・古山裕一役の窪田正孝さんと永田武役の吉岡秀隆さん(モデルは『長崎の鐘』の作者・永井隆博士)が語り合うシーンが1番印象的でした。誰しもその人なりのどん底を人生では味わうけれど、そこには大地がある。どん底から見える一筋の希望。それがあるから人は前に進めるのだと。

ケン 裕一の妻・音さん(二階堂ふみ)が出産後、再び歌手への夢を目指したストーリーですね。オペラのオーディションを受け主役となりましたが、自分が選ばれた理由を知り降板することに。落ち込む彼女に裕一が声をかけ、小さな教会でリサイタルを開く。そこで歌われた「蒼き空へ」という歌の「途切れたあの夢の続きへと」という歌詞が、よかったですね。裕一の音への想いとともに、コロナ禍に生きる今の我々にも送られたエールのように感じられました。