シノブ ドラマのように、部屋が譜面で溢れかえるところはカッコよくて憧れますね(笑)。最近、曲作りはパソコンを使っていたのですが、ドラマの中で「写譜ペン」という万年筆を使って曲を書いているのを見て、久しぶりに手書きで譜面を書くようになりました。パソコンの画面の中で曲を作るよりも、アナログで書くほうが世界が広がった気がして、紙の譜面もいいなあと感じています。
ユースケ 佐藤久志役を演じられた山崎育三郎さんが歌った「栄冠は君に輝く」ですね。音楽を諦めたかのように見えていたのに、曲を聞いて燻(くすぶ)っていた音楽への想いに火が灯(とも)り、マウンドで一人アカペラで歌った姿に自然と涙が出てきて。また、音の亡くなったお父さんが白い三角巾を着けて現世に帰ってきて、家族と会話するシーンや、喫茶店バンブーの2人が出会うまでの話といったスピンオフ回も面白かったです。
ユウ 主人公・古山裕一役の窪田正孝さんと永田武役の吉岡秀隆さん(モデルは『長崎の鐘』の作者・永井隆博士)が語り合うシーンが1番印象的でした。誰しもその人なりのどん底を人生では味わうけれど、そこには大地がある。どん底から見える一筋の希望。それがあるから人は前に進めるのだと。
ケン 裕一の妻・音さん(二階堂ふみ)が出産後、再び歌手への夢を目指したストーリーですね。オペラのオーディションを受け主役となりましたが、自分が選ばれた理由を知り降板することに。落ち込む彼女に裕一が声をかけ、小さな教会でリサイタルを開く。そこで歌われた「蒼き空へ」という歌の「途切れたあの夢の続きへと」という歌詞が、よかったですね。裕一の音への想いとともに、コロナ禍に生きる今の我々にも送られたエールのように感じられました。