創業99年、装いも新たに老舗の味を
大正10年創業。日本の焼鳥史に残る老舗「伊勢廣京橋本店」が、この10月、旧店舗の真向かいに、装いも新たにオープンした。店内は路地の風景に昭和情緒を感じさせる1階から、旧店舗の趣を残す2階、掘り炬燵式の四阿(あずまや)や桟敷席などの個室のある3階の3部構成。意匠の異なる空間は、用途に応じて使い分けできそうだ。
店は一新しても、メニューは昼夜ともに従来通り。「まったく変えていません」。三代目の星野雅信さんのキッパリとした言葉にも老舗の矜恃が感じられる。勤続46年以上の職人が3人もいると聞けば、それも納得だ。火力の強い姥目樫(うばめがし)の備長炭で、ベテランの職人が焼きあげる焼鳥は、餌と飼育日数にこだわったメスだけを用いている。
夜はコースのみだが、ランチなら丼や定食で気軽に楽しめる。天城の清流に育まれた山葵が風味を高めるささみ、年季の入ったタレで味わう腿肉といずれ劣らぬ秀逸さだが、中でも逸品は団子。つなぎを一切使わず麻の実をブレンドしたそれは、歯応えも小気味よく、口中でホロッと解けるそばから溢れ出る肉汁が命。運ばれてきたら、熱々のまま真っ先に頰張ることをお勧めしたい。その豊潤さにきっと目を見張るはずだ。
住所●東京都中央区京橋1-4-9
電話番号●03・3281・5864
営業時間●昼11:30~13:40(L.O.)、夜16:30~20:30(L.O./土曜のみ~20:00L.O.)日祝休 80席(コロナ対策で減席)
メニュー●昼/焼鳥5本丼・5本定食 各1900円、昼のコース3950円 夜/フルコース6600円、ヘルシーコース5950円、7本コース4950円
アクセス●東京メトロ銀座線京橋駅7番出口から徒歩2分。中央通りを日本橋方面へ進み三井ガーデンホテル京橋手前を左折、格子戸に青い暖簾が目印