イラスト:村越昭彦
生活の中で溜まりがちなストレスは、1日の最後にリセットしたい。その鍵を握るのが、自律神経です。腸の健康維持にも役立つ「お風呂健康法」をはじめてみませんか(構成=浦上泰栄 イラスト=村越昭彦)

浴槽で体を動かして血流をアップ

コロナ禍で生活様式が変わって約1年。さまざまな制限を受けるなかで、ストレスを感じ体調を崩す人が増えています。「自分は元気だから問題ない」という人でも、エネルギーが尽きて、心身ともに疲弊してくるころでしょう。過度なストレスは自律神経のバランスを崩す大きな要因となり、その状態が長く続くと免疫力が下がって、思いがけない病気を引き起こしかねません。

とはいえ、現代社会でストレスを感じない生活は難しい。だからこそ、自律神経が「乱れないようにする」のではなく、「乱れたものをいかに整えるか」が大事になります。そこで実践してほしいのが、私が考案した「お風呂健康法」です。

一番の特徴は、《入浴中にストレッチや瞑想を行う》こと。入浴には数々の健康効果があって、まず期待できるのが血行促進です。湯船に浸かると水圧で血管が刺激され、血流が改善。体の末端まで血液が行きわたり、副交感神経の働きが活発になります。ストレスがかかると交感神経が優位な状態が続きますから、リセットする絶好の場といえるでしょう。

お湯の温熱効果によって全身の緊張が解け、筋肉がほぐれるのも、入浴の大きな効果の一つです。筋肉や関節がやわらかくなると、体をひねる、回すといった動きがラクになります。さらに浮力により体が軽くなるため、関節の負担も減少。お湯の中は、普段体を動かすのが苦手という人でも、スムーズにストレッチが行える最適な場所なのです。

ストレッチとともに行う腸マッサージの効果も絶大。全身の免疫細胞の7割が集まる腸を、やわらかくほぐして健康な状態にしておくことは大切です。腸は刺激に対して敏感ですから、皮膚の上からやさしくもみほぐすだけで十分ですが、熱が伝わる湯船の中で行えば、より効果が高まるでしょう。