野菜の皮の使い道を想像すると楽しい
小さい頃、お皿にお醤油を残していたら、父から「タミ、醤油は食べ終わる時にちょうどなくなる分だけ入れなさい」とられたことがありました。私たちは戦中戦後、ものがない時代を過ごしてきましたから、「無駄にしない」ことが体に染みついています。
私の台所は生ゴミが極端に少ないようで、生徒さんが驚くのです。野菜の皮や卵の殻など、もったいなくてすぐには捨てられません。野菜の皮は干してから、きんぴらや炒め物に。干すとうまみが増すだけでなく、日持ちもしますからね。なすのガクも干しておき、黒豆を煮る時に一緒に入れればきれいな色がつきますよ。卵の殻は細かく砕いて、鍋や水垢の掃除に使えます。その残りは植木の肥料にもできる。万能でしょう?
ある日、とうもろこしの皮を丁寧にはいで袋にまとめていると、生徒さんが「何に使うんですか?」と不思議がるので、「干してお弁当箱の底に竹皮のように敷くと、煮汁を吸い取ってくれて便利でしょ」と答えました。当たり前のように捨てるものでも、知恵を絞って次の使い道を想像するのが、日々の楽しみの一つなんです。