福祉の現場でも活用中
なかには、笑いヨガを仕事に活かしている人も。鳥取県の地域包括支援センターに勤務する、石田浩朗さん(54歳)だ。
「僕が岡山で行われた《笑いヨガリーダー養成講座》に参加したのは、今から8年前のことでした。当時勤務していた高齢者福祉施設の所長にすすめられたのがきっかけです。地域の健康教室で高齢者の方々に教えていると、最初は『うさん臭いことさせて……』と不満げだった人も、そのうちイキイキした表情になってくる。参加者の皆さんは健康への意識が高く、横隔膜を動かして酸素を取り込むのは体にいいという知識はあるので、徐々に『あの体操、家でもやっとるよ』という人が増えてきました」
石田さん自身、笑いヨガを始めてから、気持ちの切り替え方がうまくなったことを実感。寝つきが悪い時に呼吸法を実践すると、心が落ち着いてよく眠れるそうだ。
「仕事もですが、自分のためにやっている部分もありますね。同僚たちにも広めました。介護の現場では、ケアする側がまず元気でいないとお世話ができませんから。今は毎朝、日本笑いヨガ協会がFacebookで配信している集まりに参加しています」
今回、お話を聞いた方々は「笑いヨガは初めての人でもやりやすいところがいい」と口を揃える。顔にクリームを塗るような動作で行う「クリーム笑い」など、イメージが湧きやすく簡単なものが多いので、やる気になるのだそうだ。また石田さんは、「口角を上げたりして表情筋を使うことは、能力のキープにも効果がありそう。薬や水を飲み込みにくい高齢者にはいいと思います」とも。
私がお会いしたのは、高田さんはじめいずれも明るく、ポジティブ思考の方ばかり。笑いには、人生を良いほうへ変える力があるのだと実感した。