ストレッチで動かせる体づくりを
加齢やそれに伴うホルモンバランスの変化で、誰しも筋肉は萎縮していきます。でも、「もう年だから」とあきらめる必要はまったくありません。いくつになっても体は変化します。私の母も70代からストレッチを始めたところ、膝の痛みが軽くなり、歩きやすくなりました。
とはいえ中高年は、いきなり運動やトレーニングを始めるのは禁物。怪我の原因になります。まずは、動かせる体をつくるところから始めましょう。
そのために必要なのが、筋肉をゆるめ、伸ばすこと。それにより、関節の可動域が広がります。関節が動かないと、筋肉はちゃんと機能しません。腹筋運動をしたら首や背中が痛くなった、という経験はありませんか? それは関節が硬いため不自然な姿勢になり、腹筋を使えず、首や背中に負担がかかっているからです。普段の生活では、前に向かって手足を曲げ伸ばしする動作がほとんど。それだけだと、関節の可動域は狭まります。
関節の中でとくに多くの動きを司るのが、肩関節と股関節です。肩関節が固まれば四十肩、五十肩になりますし、股関節が固まると脚が上がりづらくなり、つまずきの原因にも。さらに、肩関節と股関節のまわりには、動脈やリンパ節などが集中しています。関節が動かないと血流も滞ってしまうのです。
そこで最初に行ってほしいのが、手足をほぐすストレッチ。筋肉を包む筋膜は体中に張り巡らされていて、つながっています。末端から徐々にほぐし、肩関節や股関節を動かしやすくしましょう。
今回考案したストレッチはすべて家の中でできて道具もいりません。ゆるめて伸ばす心地よさをぜひ体感してください。