【着物コレクション】
ド派手な絞りの着物には、「サロメ」モチーフの帯。赤いカツラをかぶってちょっとコスプレ気分(写真提供:坂井さん)

【着物コレクション】
「サロメ」モチーフの帯

「着物いいね、大和撫子だね」と褒められるけど

外出する時に着物を着ると、気持ちに張りも生まれるし、華やぎますね。もともと人見知りな傾向があるので、出版関係のパーティーなどでも、地味な恰好をしていると誰とも話せなくなります。でも着物を着ていると、声をかけていただきやすい。着物の時は髪型もがんばるので、洋服の時よりオンとオフの切り替えが余計はっきりします。

今回の作品には、現代ならではの「着物あるある」もけっこう取り入れています。美佐の夫で、母親離れできない優柔不断な要一郎が、着物姿の美佐と歩くのを嫌がります。

私の友だちも、彼氏に「デートの時は着物やめてくれない? 恥ずかしいから」と言われるとか。「何が恥ずかしいねん」と思うのですが(笑)、「目立つから」と。「誰もあんたのことなんか見てへんから」と、男どもに言いたいですね。(笑)

将来義理の母となる人のところに初めて挨拶に行くときに着物を着ていくと、「いいところのお嬢さん」と思われてちょっと気に入られるけど、普段から着ているとヘンな人扱いになるとか。

私も知らないおじさんから「着物いいね、大和撫子だね」と褒められたりもしますが、今の時代にこんなみんなと違った格好で歩いている女が、大和撫子のわけないやろう、と(笑)。もっと自由な発想で着物のファッションを楽しんでいるのに、世の中にはけっこう勘違いする人もいるようです。