そもそも私たちが日常的に感じている《疲れ》の正体は何でしょうか。不規則な仕事や子育て、親の介護に追われ、いつも体の不調に悩まされていたという松本明子さんが、疲労研究の第一人者である梶本修身さんに聞きました。後編はコロナ禍による生体リズムの変化からーー(構成=山田真理 撮影=本社写真部)
生体リズムの乱れは体調不良を招く
松本 コロナ禍で生活が変わった人も多いですよね。
梶本 自律神経への影響で心配なのは、生活時間帯のずれです。それまで6時に起きて通勤していた人が、テレワークになって起床時刻が遅くなる。そのぶん寝る前にゲームや動画鑑賞をしてしまうと、脳が興奮して休まりません。
松本 ニュースが気になって、布団に入ってからもスマホをのぞいてしまうのもダメでしょうね。
梶本 はい。自律神経の疲労回復には、明るい時間に活動して暗くなったら休息する「生体リズム」を崩さないことが大切です。
松本 最近は、運動不足も気になって。通っていたジムが昨年の外出自粛期間中に休業になり、月謝がもったいないからと退会したんです。
梶本 通勤で1日8000歩ほど歩いていた人が、テレワークになり1日3000歩しか歩かなくなったという調査もあります。適度な運動は疲労回復効果が期待できるので、自宅でヨガやストレッチをしたり、ウォーキングなどを楽しむのがおすすめです。