仏式の同性婚結婚式も執り行っている。19年、大阪キャッスルホテルで(写真提供:柴谷さん)

「性的少数者の終活」を支えたい

手術を受け身体も戸籍上も女性になり、ようやく自分らしく生きることができるようになりました。今私が「性善寺」で取り組む課題は、「性的少数者の終活」です。

性同一性障害者も同性愛者も基本的に子どもはおらず、肉親と疎遠なケースが多いのです。「葬式も出してもらえない」「墓にも入れない」「供養もしてもらえない」など、人生の末路に不安を抱える性的少数者は少なくない。遺産などについてはお寺と提携する司法書士らに任せるとして、私が関わるのは精神的な面ですね。

性善寺では悩み相談、永代供養、戒名、同性仏前結婚式、護摩・回向、四国遍路と各地の巡礼案内などを受け付けます。大阪府交野市の民間霊園を借りて永代供養塔も建てました。お骨を預かり、永代供養ができればと。戒名も男と女は違いますが、本人が希望する性別の戒名を選んでもらいます。

「性善寺」を開いて2年。やりたいことは山ほどありますが、新型コロナウイルスの影響は甚大ですよ。まさに出鼻をくじかれました。毎月の最終日曜日を縁日とし、マイノリティの人などが集まって護摩祈禱を行っていますが、参加者が減りました。高齢の性的少数者が暮らす老人ホームなども、立ち入りができなくなってしまった。今が踏ん張り時だと感じます。

最近、日本航空が性的少数者に配慮して、機内アナウンスの「Ladies and Gentlemen」をやめたそうですね。こうした動きが広まっていくことは喜ばしいことですが、形だけ変えても差別や偏見は消えません。まだマイノリティをゲテモノ扱いする人もいます。社会の偏見は根強く、昔の私のように苦しむ人たちは多い。そんな人たちが性善寺で安らげるようにしたいですね。

性善寺の公式HP https://shozenzi.jimdofree.com/