電子レンジを使えば、少量でもおいしくつくれる

ためしに、実習授業でエビチリや肉じゃが、カレーなどをつくったところ、学生たちは「おいしい」という感想です。いずれも油を使って炒めものをする料理ですが、電子レンジ調理なら香りや食感を出すために、小さじ1杯もあれば十分。1メニューあた100kcal程度は減らせることがわかりました。

きっかけは糖尿病の治療食でしたが、一般の家庭でも電子レンジを使えば、油の摂取を控えられて、時短にもなる。地元の新聞で電子レンジ調理のコラムを連載したところ、好評を得ました。「出汁をとる」「米を炊く」といった基本の調理にまで電子レンジを使う、というのが画期的だったのでしょう。

電子レンジ調理は、油分を抑えられるだけでなく、1人分、2人分といった少量でもおいしくつくることができます。食材に含まれる水分で調理するから、加える水分は少量に。調味料も通常の3分の2程度で済みます。火を使いませんし、洗いものが少ないので後片付けもラク。家族の人数が減り、料理がおっくうになってくる世代の方々にこそチャレンジしていただきたい調理法なのです。


<耐熱ボウル1つでOK>
これが電子レンジ調理の実力です

炊飯

電子レンジを使うと、米に含まれる水分と加えた水の両方が加熱されるため、洗米後の浸水の必要がありません。蒸らしも不要。スピード炊飯です

《 材料(2人分) 》

・米…1合
・水…250mL

《 作り方 》

(1)米は洗って、ざるに上げる

(2)1直径22センチほどの耐熱ボウルに米を入れ、水を入れる

(3)端を5ミリほどあけて、ラップをかける

(4)電子レンジ600Wで5分加熱する。水が沸騰したら、200W(または解凍モード)で12分加熱する

(5)加熱が終わったら、ボウルを取り出す。熱い蒸気が上がるので、ラップはハサミで切ると安心

(6)ざっくりと混ぜたら、すぐに食べられる

 

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ビーフシチュウ

少量の食材では旨みを引き出しにくい、煮込み料理。電子レンジなら食材から味を引き出し調味料をしみ込ませます。1人分でもまるで長時間煮込んだよう

《 材料(1人分) 》

・牛肉(薄切り、焼き肉用どちらでも)…50g
・玉ねぎ…50g
・にんじん…30g
・じゃがいも…50g
・いんげん…1本
・水…150mL
・ビーフシチュウの固形ルウ…大さじ1(刻んで)

《 作り方 》

(1)牛肉は薄切り肉なら3センチ幅、焼き肉用なら3センチ角に切る。じゃがいもは2等分、にんじんは5ミリ厚さの輪切り、玉ねぎは1センチ幅のくし形切り、いんげんは3~4等分に切る

(2)耐熱ボウルに水を注ぎ、ルウを入れてよく混ぜる

(3) (2)に、牛肉を先に入れる

(4)その上に、野菜をのせる

(5)ルウのとろみで吹きこぼれやすいので、ラップはかけず、あれば受け皿にのせて電子レンジ600Wで8分加熱する

(6)取り出したら、混ぜて器に盛る