今も父から電話で頼まれそうな気がして
残念だったのは、昨年はコロナの影響で父とほとんど会えなかったこと。病気もあるうえ80を過ぎているので用心し、僕たちと会うのを控えていた。用があるからと呼ばれても、玄関先で会う程度。それも母親(元歌手の石田ゆりさん)から全身に消毒スプレーをかけられて。意味がないということで一回で終わりましたが……。
最後の入院中も、お見舞いに行けませんでした。母だけ許可が出て、週に1回、5分だけ面会できた。家族と満足に会話もできず、本人も寂しかったと思います。
亡くなる前日に病院から連絡があり駆けつけると、意識がほとんどありませんでした。ただ、病院に連れていった日からいきなりそんな状態に飛んでいるので、別人みたいでピンとこないんです。僕はここ5年くらい、父の仕事の手伝いもしていました。ですから今も父から電話がかかってきて、「これ、やってくれ」と何か頼まれそうな気がして――まだ、実感がわきません。
コロナ禍ということもあり、本人の希望通り、葬儀・告別式は家族だけで行いました。母の姉(女優のいしだあゆみさん)は東京にいるので来てくれましたが、大阪にいる伯母や親戚たちには遠慮してもらいました。