その基本的な性格は「子どもを中心とした多世代交流の地域拠点」(写真提供:写真AC)

コロナで減った隙間時間

一方、足元を見れば、コロナ禍でオンライン会議が増えた。自宅にいながら東北や九州の人と話したり、逆に九州で講演しながら大阪の人とミーティングしたり。どこにいても、誰とでも顔を合わせて話せるようになった。

便利だが、隙間時間はさらに減った。もう地方出張していることが「打ち合わせできない」理由にはならなくなった。携帯電話を持ち始めた頃を思い出した。

同時に思い出したのがミヒャエル・エンデの『モモ』だ。人々は時間を捻出しようと効率化する。しかし、効率化すればするほど時間は消えていく。それは「時間どろぼう団」の仕業だったという寓話だ。

1970年代に書かれた本だが、今でも新鮮に読める。私たちが依然としてその枠組みに囚われているからだろう。時間をきちんと管理するセルフ・マネジメントができないと「ダメな人と思われてしまう」という恐怖から、いまだに抜け出ることができていない。