「調子に乗った20代の僕のまわりには、おいしい思いをしようとする人が群がってきたけれど、数年で消えていった。いまは、「田原俊彦が素敵なヤツだから一緒にいてくれるんだな」と感じる人とだけ付き合っています(笑)。両手で足りる人数ですよ」

カズが現役でい続ける限り、僕も頑張ろう

僕は、人と巡りあう運には恵まれてきたと思います。なんといっても、ジャニー喜多川さんに出会い、「スターになりたい」という自分の夢を叶えることができました。

調子に乗った20代の僕のまわりには、おいしい思いをしようとする人が群がってきたけれど、数年で消えていった。以来、誰とでも明るく付き合うものの、距離は縮めすぎないようになってしまいました。いまは、「田原俊彦が素敵なヤツだから一緒にいてくれるんだな」と感じる人とだけ付き合っています(笑)。両手で足りる人数ですよ。

なかでも特別な友人が、カズ(サッカー選手の三浦知良さん)です。出会ったのは僕が27歳、カズは21歳で、まだブラジルにサッカー留学中の、無名の選手だった。僕のコンサートに来てくれたことがきっかけで知り合って、すごく仲良くなりました。波長が合ったんでしょうね。

お互いに人生の山坂を経験したけれど、あいつは良いときも悪いときも、そばにいてくれた。熱くて、素敵な男なんですよ。カズが現役でい続ける限り、僕も頑張ろうと思える。年を重ねても動ける体のメンテナンス方法も教えてくれたりしてね。同じようにはできないけど。(笑)

なかなか感謝の言葉は伝えられていませんが、家族の支えも大きいです。娘2人はいま20代後半ですけど、仲はいいほうじゃないかな。暇なときは僕のディナーショーやライブにも来てくれたりする。

家での僕は、せいぜいコーヒーを淹れることと風呂掃除と犬の散歩をするくらい。たいていふざけてるの。パンツ一丁で「ギャア〜!」って騒いだりしてね(笑)。だからライブで僕を見て、「パパってホントはすごいんだ!」と見直してくれてる……と思いたい。(笑)

この間なんて、女の子とカフェでデートしていたらバーンと突然肩を叩かれた。びっくりして顔を上げたら、次女が「パパ、何してるの?」って。「何って、お茶してるんだよ」と開き直るしかなかったなあ。アハハ。「ママに言うなよ」と口止めしなかったけど、話しただろうな。どうも僕、家族から見捨てられかけているかも。(笑)