足腰、そして喉も鍛えて健康維持に邁進
3月の早朝、めまいに襲われた。更年期障害の症状である。トイレに行こうと起きた直後、突然目の前の景色が揺れ始めた。今のうちに行かなければと、走ってトイレに駆けこんだ。事なきを得て、寝室に戻ろうと立ち上がると、めまいはいっそう激しくなり、その場でうずくまる。体調が落ち着くのを待つ間も寒くてたまらない。
パジャマの上に何か羽織ってくればよかった。家族がいれば上着持ってきて、と言えるのに。でも晩年の母は寝たきりだったから無理か。飼い猫に頼んでも理解されないし。こまった、どうしようと考えているうちに歯の根が合わぬほど震え出した。嘔吐を催しながらも意を決して這って布団にもぐりこんだ。
体調が芳しくないのは、料理の手抜きも影響しているのだろう。母のためにとバランスを考えた食事作りは、結果的に私自身のためにもなっていたのだ。しかしひとりになってからは手抜きのし放題。もともと私は料理が苦手である。
反省して、作り置きをすることにした。
あるとき、1食分お皿にとって温めようと鍋の蓋を開けたとたん、酸っぱいにおいが鼻をついた。おやっと思い、中をよく見ると泡立っている。「えっ、今朝食べたときは何ともなかったのに。まだ半分以上残っているよ。悪くなるって、どうしてもっと早く知らせてくれなかったの。あんなに苦労して作ったんだよ」。
鬱憤は最高潮に達し、思わず腐った野菜の煮物に当たり散らした。
材料費や光熱費を考えると、おかずは出来合いのものを買ったほうが安上がりだ。だから今はご飯とみそ汁以外は作っていない。