「身近にある小さな幸せに感謝し、「自分は幸運な人間だ」と思い込んでいると、何ごとも幸せに感じられるようになってくる。」

「お運の悪い純子様」と呼ばれたけれど

なんでも好奇心を持って試してきましたが、もっとも健康を左右するのは、心の持ち方でしょう。荘先生も、「前向きな気持ちが自然治癒力を高める」とおっしゃっていました。今も私が日々健康で前向きにいられるのは、50年以上かけて、その思考を培ってきたからだと思います。

「肉体は魂の容れ物である。容れ物は衰えても、魂は何度も生まれ変わり学びながら成長する」という考え方を身につけてから、何ごとも前向きにとらえられるようになったのです。

「当たり前」と思って感謝を忘れていたことに感謝できるようになりましたし、嫌なことや逃げたい相手に対しても「宿題」と受け止め、乗り越えたらまた感謝。人のせいにしない、自分を磨くために感謝は必要なことなのだと考えられるようになりました。

このようにお話しすると、「もともとそのようなお考えだったのでしょう?」と言う方もいらっしゃるかと思いますが、むしろ逆でした。子どものころから姉妹の中で私だけが幼稚園の入園試験のくじに落ちたり、遠足や運動会の日に雨が降ったり。使用人たちが「純子様はお運が悪い」と言うので、私もそう思い込んでいました。

でも、後年になって気づいたのです。運はどこかから偶然やってくるものではなく、自分が作り出すものなのだ、と。自分は不運な人間だと思えば、どんどん悪い出来事が起こりますし、愚痴や悪口を言えば、心が必ず淀んでいきます。

身近にある小さな幸せに感謝し、「自分は幸運な人間だ」と思い込んでいると、何ごとも幸せに感じられるようになってくる。実際に声に出せば、より効果が高まります。よい言葉は自分も周囲も幸せにし、よい結果をもたらしてくれますから。日本には古くから言霊という考え方がありますね。声にした言葉が現実にもよい影響を与えていく。