「彼が〈ドーハの悲劇〉で有名人になってしまったので、外で食事をするのが難しかったんです。」(生田さん)

意外とゆるいアスリートの妻

木佐 私は夫と結婚するなら、スポーツニュースは降りようと決めていました。やっぱり気まずいですもん。そもそも私は入社してから5~6年、人事に「ニューヨーク支局に行きたい」と希望を出し続けていたんです。全然通りませんでしたけど、子どもの頃にロサンゼルスに住んでいたし、一度アメリカで働いてみたくて。

生田 じゃあ結果的に、ご主人を通して夢が叶ったんですね。

木佐 そうなんです。2002年に夫がメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースに移籍することになった時は、「ラッキー、よくやった!」と(笑)。生田さんはスポーツ選手と結婚してどうでしたか。

生田 正直、もっと大変なのかと思っていました。でも夫は自分の管理ができる人で、栄養のことなどもある程度わかっていたので、思っていたよりも楽でしたね。食事は和食が中心のいわゆる定食的なものを出すように心がけていました。

木佐 わかります。周囲からは食事の管理が大変だと思われがちですが、うちは本人がストイックなタイプじゃない(笑)。遠征先では焼き肉など重いものを食べることも多くて。だから家ではお刺身やおひたしを先に食べさせて、好物のお肉、白米は最後に出すようにしていました。ご飯なんかどんぶり2杯食べちゃうから、子どもみたいにだましながら。気をつけていたのはそのくらいです。

生田 うちは最初から全品を食卓に並べて、最後の一口をご飯とおかずで終わらせたいタイプ。いろいろなものを少しずつ食べたい人なので、肉や魚料理以外に納豆やおひたしなどの副菜を数皿出すようにしていました。この栄養素が足りないかなと思ったら、食材を適当にプラスして。

木佐 でも私たち、振り返ると結果的に正しい食事を出していましたよね。ざっくり管理だけど、間違ってはいなかった。(笑)