遺品整理後の品物もゲットして

居住地が北千住という下町のためか、タンスの中身一式と思われる衣類や遺品整理後とおぼしき品物が捨てられている日もある。まだ使えるから持って行ってほしいのだろう。ゴミが透明のビニール袋に入れられ、どうぞお持ちくださいとばかりに捨てられていることも多い。それらを拾い集めて販売する人も、実際たくさんいると感じる。いや、近所の方々も、捨てるという感覚は希薄なのだろう。

ヤフオクは15年くらい利用している。フィギュア以外にも自分の創作に使えるバッグ、花瓶はよく買う。マーケットが育ってきて、売るほうも強気になってきた。ちょっとすてきだなと思う花瓶が昔なら1000円で買えたが、この頃では2000円はする。

花瓶ひとつとっても、品格は大事。人間国宝の手になる花瓶などは、ああ、アタシが買わないとゴミになってしまう、そう思ってつい買ってしまったりする。私より高値で競り落としてくれる人が現れると、ヨカッタとホッとするのだ。

ヤフオクで買った花瓶や仏像などはコレクションと称しアトリエに並べ、時に手入れをし、缶の中に入れて作品化したりする。

材料として拾った品でも、その品物が、本来の使命を果たすことができ、命を宿している場合は、きれいにしたり金継ぎをしたりと手を加える。また、ほしいと人に言われたら、それらの品を差し上げることも多い。モノの寿命を延ばし、大切にしてくれる人とのご縁を繫いだと考えることにしている。私が所有しているというより、また次の所有者が現れるまで少し預かっておこう、と思って、品物と接しているのだ。