銀座で楽しむ丁寧な味
銀座で気軽にランチを、という時に覚えておきたい一軒がここ。創業昭和28年の老舗「むとう」だ。
古き良き銀座の面影を残す日本家屋の一軒家。2010年に改装したとはいえ、楚々とした佇まいは、今も少しも変わらない。引き戸を開けて中に入れば白木のカウンターも清々しく、厨房が見える店内は、明るくゆったりとした雰囲気。清潔感の漂うなか、気のおけない友人との静かな午餐を約束してくれそうだ。
ランチは日替わり膳、刺身膳、鯛茶膳の3種類。中でも一番人気は、開店当初から続く鯛茶漬けだとか。
料理長の東山仙秋さんによれば、「唯一これだけは、内容を変えないでほしいと女将から言われた」伝統の味だそうで、胡麻だれタイプの鯛茶漬けが多いなか、こちらは醤油だれがベース。いわば、鯛のづけ茶漬けで、煎った胡麻を鯛の上にたっぷり振りかけている。
鯛は愛媛の活けジメを使用。身のプリッとした鯛を白飯に乗せ、まずはそのまま丼として、次にアツアツの玄米茶をかけてお茶漬けに、というのが東山料理長のおすすめの食べ方だ。出汁ではなくあえてお茶で、という趣向も粋。
過分な旨みに邪魔されず、スッキリとして鯛の旨みをストレートに味わえる。
日本料理むとう
●東京都中央区銀座6-4-16 電話03・3571・0723
11:30~14:00(L.O.)、17:00~21:30(L.O.)
日曜・祝日休、30席(カウンター、座敷あり)
●昼/日替わり膳1500円、刺身膳1700円などのほか、要予約のコース3100円~ 夜/テーブル席のコース 7260円~、個室で会席コース 1万4520円~
●アクセス/東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅より徒歩5分。数寄屋橋交差点から外堀通りを新橋方面へ進み、銀座東急プラザに沿って右折。ライカショップの角を左折、20メートルほど進んだ左手。数寄屋通り沿い