あまりにも怖かったので、同行していた男性のヘアメイクさんと女性の写真家と、別の小さな部屋で3人一緒に寝ることに。真夜中になってあたりが静まり返ると、風の音がして、やがてそれが私たちの部屋に入り込んできました。その風がヒュウ、ヒュウ、ヒュウと音を立てて部屋を回り始めて――もう、怖いなんてもんじゃない。3人で一つの布団の中でガタガタ震え、一睡もできませんでした。

翌日、拒否しすぎて霊に失礼だったかなと思い、もう1回そのお座敷に行って「お騒がせしてすみませんでした」と頭を下げました。その瞬間、例のお札が1枚、パタンと倒れたんです。あんな怖い経験は、そうありません。

 

見に行く先になぜか必ず……

ロケ先だけではなく、普段の生活でも不思議なことが時々起きます。小さい頃からそうでしたが、思春期には最高潮に。たとえば映画を観ている最中に首を絞められたみたいになり、「苦しい」と思った瞬間、親戚の叔母さんの顔がふっと浮かんだ。帰宅するとその叔母さんが亡くなった知らせが来て、死亡時刻を聞いたら、私が苦しさを感じた時と一致していました。

今住んでいる家を探していた時にも、不思議な出来事がありました。最初は隣町のほうで物件を探していたのですが、いざ見に行く日になると、なぜか必ず土砂降りになる。そういうことが何度か続き、この町じゃないほうがいいのかもしれないと、今の町に引っ越すことに。

何年かして、家を建てるために、土地を探すようになりました。すると、見に行く先、見に行く先に、なぜか必ずお稲荷様の祠がある。

そのうち不動産屋さんが、「とある家のお庭部分が売りに出るので、見に行きますか?」と言ってくれて。行ったらなんと、その町で一番お気に入りの場所だったのでびっくり! 散歩のたびに、その家の前で一休みして、木を眺めたりしていた場所だったのです。