隣の部屋の蛍光灯がチカチカ…
でも、笑い話ではすまされない場合もあります。90分のサスペンスドラマの撮影のため、埼玉県のとある洋館に行った時のこと。私を含め、キャストとスタッフは1週間、通いでしたが、ドラマに登場する猫のケージは夜も室内に置きっぱなし。すると猫は食欲がなくなり、おとなしくて人懐っこい子だったのに、だんだんヒステリックになっていったのです。
そして撮影最終日のこと。夜まで撮影が続くので、控室に集まり、みんなでお弁当を食べていたら、隣の部屋の蛍光灯がチカチカし始めました。最初は照明さんが何か作業しているのかなと思ったけれど、どうも頻度が多すぎる。
「ねぇねぇ、さっきからあのぶら下がっている蛍光灯が……」と言いかけた時、バスーンッと音がして、その蛍光灯が大きくグルグル回りはじめた。みんな、キャーッ! 次の瞬間、私の肩のところで、バサバサッという鳥の羽音みたいなすごい音がして。その場にいた全員、恐怖で顔が引きつっていました。
それからは「よーい、スタート!」と撮影が始まると、ガシャーンと棚が落ちたり、壁にかけてある額がいきなりカタッと傾いたり。誰もいないのに、衣装ラックにかけてある衣装が急に揺れだしたりも。誰かが「あれっ、動いてる」と言ったら、助監督さんが「はい、楽しそうに動いています」(笑)。
そうか、猫は夜中にこれを見ておかしくなっちゃったんだと思いました。撮影中、別室でモニター画面を見ていた私のマネージャーは、何か起きるたびに画面内の私の顔が恐怖で歪むらしく、それが一番怖かったと言っていました。(笑)
この時に収録した画面には、ヘンなものが映っていたり、ノイズが入ったりしていたそうです。もちろん、そういう部分はカットして放映されました。