2匹は一心同体

何しろ人懐っこくて、初めて家に来た宅配のお兄さんにも擦り寄る。
「誰にでもついてくね、きっと」
と友人に言われる。
わたしに特に懐いてほしいが誰にでも懐く(少々嫉妬)。

人にもそうだが、この2匹は何しろ仲が良い。ある時シティが咳をして病院に行くことになり、クティと娘はうちでお留守番になったのだが、クティは居なくなったシティを家中探し回り半狂乱になっていたそうで、一緒に病院に連れて行ってあげたらよかったと思った。

並んでお昼寝するふたり

「いずれはどちらかが先に亡くなると思うが、その時は大丈夫だろうか…」
と今からとても心配になっている。2匹は一心同体のように近くにいてお互いの存在をいつも確認し合っているようにみえる。

2匹は兄弟だが、性格が違う。

クティはやんちゃ。おそろしいほどのスピードで走り回り、カーテンによじ登り天井にタッチしてUターンして走り去る。『シルク・ド・ソレイユ』の何かの演目を見た時、この動きはなにかに似ていると思ったらクティだった。

ある日のシティ。「そういえばナマケモノもこんな様子で休んでいるのをみたことがある」と青木さん

シティは繊細でゆっくり動く。猫とは思えない。ナマケモノくらい遅い時もある。いつもキョトンとした顔をしている。猫じゃなくてナマケモノなのかもしれない。ゆっくりだから慎重かと思いきやトラブルはシティが起こす。湯船に飛び込んだことがあるのもシティ。どこに行ったかわからなくなり捜索したら引き出しから出てくるのもシティ。あっという間に外に出てしまい遠くに行ってしまったことがあるのもシティ。

わたしたちはシティが心配で仕方がない。玄関には網戸をつけた。ベランダの網戸にはネコが開けようとしても開かないようにストッパーをつけた。玄関と窓の開け閉めは細心の注意をはらう。

シティとクティがうちにきて3年が経つ。2匹ともどっしりと大きくなった。
よっこいしょと言わないと持ち上がらない。