部屋でくつろぐクティ(左)とシティ(写真提供◎青木さん 以下すべて)
青木さやかさんの連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。今回は、「2匹の保護猫との暮らし」について、赤裸々に語ります。

前回●「友人宅が気に入り購入を決めたマンション。先代オーナーさんが衝撃の一言を放った

生き物と暮らすのは大変なことだからね

娘が小学校低学年の時だった。
「ママ、猫と暮らしたい」と言い出した。

「そうだよね。ママも、そりゃ猫と暮らしたい。可愛いよね。だけど可愛いだけじゃないのよ。生活がすごく変わるよ。お世話をすることになるし、簡単に旅行も行けなくなるから」
「大丈夫」

「毎日ごはんあげて、トイレを掃除して」
「わかってる」

「生きているものと暮らすのは、大変なことだからね」

なんだか大層わかった風なことを言うわたし。可愛いだけじゃないよ、と伝えておかねばと躍起になる。そして、今はまだ引っ越したばかりでうちも落ち着いてないし、衝動的ではなくて1年後も同じ気持ちでいたら前向きに考えましょう、と娘と約束をした。

青木家お気に入りの柱で身体測定中のクティ

 

結局1年間言い続けた娘との約束で、2018年の夏に、静岡の道路に置き去りにされていたというオスの保護猫の兄弟2匹の里親になった。