大量の写真を減らした方法

池波 大量にあるものは、きりがないから処分にもコツが必要ね。

中尾 特に本は、1冊ずつ「要るか要らないか」を考えてちゃ日が暮れる。

池波 本でも何でも、絶対手放したくないものを先に除けておき、それ以外は目をつむって処分。それがいちばん早いと思うの。

中尾 処分といっても、志乃の場合は、価値のわかる人のところに「移動させたい」という考えだ。

池波 本はみんなの財産だと思っているから、その本を探している人がいつか出会えるようにしておきたくて。推理小説、料理の本、美術書など古書店ごとの得意ジャンルをインターネットで調べて引き取ってもらいました。

中尾 写真も必要なものだけ抜いて、あとはごっそり捨てる方式。家に残したのは30、40枚だったか。

池波 私たちはまだ仕事をしているから、資料として必要な写真は選んで事務所に預けた。「死んだ後は適当に処分してね」と。(笑)

中尾 夫婦生活も40年以上、思い出の写真といっても、似たようなものばかり。せいぜい春夏秋冬それぞれ1枚ずつあればいい。

池波 私が選んだポイントは、その1枚で「このときはね~」と2人で話ができる写真ね。それが何枚かあれば、ときどき晩酌しながら眺めて楽しめるし。

中尾 洋服や眼鏡などの小物は、映像の仕事を完全にリタイアしない限り、衣装として必要だな。